UNRIPE
OP | 第1話 | 第2話 | 第3話 | 第4話 | 第5話 | ED |
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あかり | んー、アイドルの楽しさ……。 う〜〜、ダメだなぁ。やっぱりピンとこないや……。 |
P | 悩み事? |
あかり | あ、プロデューサーさん! 悩みごとっていうか、考え事っていうか。 いまちょっと、アイドルの楽しさを探ってて……。 |
あかり | ステージの上にある「何か」はわかったんですけど、 私の中でアイドルって、ずっと続けていけるくらい大事なのかな? って考え出したら、なんかよくわかんなくなっちゃって。 |
P | ……なるほど。 試しに、誰かに話を聞いてみたらどうかな? 今日だったら、午後から仕事見学できそうなアイドルがいて……。 |
あかり | あ、はい!ぜひっ! |
(撮影スタジオ) | |
フレデリカ | フンフンフフーン♪ キメデリカ〜♪ お次はユルフワデリカ〜? ボンソワー♪ |
あかり | わぁっ……フレデリカさん、カメラマンさんの指示じゃなくて 自分から動いてる……すごいなぁ。 |
フレデリカ | おやおや? 美味しそうなぽむぽむ発見! 味見しちゃおっかなー♪ |
あかり | ええっ!? ふ、フレデリカさん!撮影中じゃ……あぁ〜。 |
カメラマン | 気にしないでいいよー。 ちょうど休憩入ろうかって話してたし、フレちゃんだし。 記念にオフショットでも撮っておこうか。はい、しるぶぶれー。 |
フレデリカ・あかり | しるぶぶれ〜♪ しるぶぶれ? |
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フレデリカ | ほんほん、なるほどね〜。アイドルの楽しさを探りに、 楽しい楽しいフレちゃんのお仕事を覗きに来たんだ。 それからそれから? |
あかり | りあむさんには地下アイドルのステージに誘われて、 うりゃおい!ってコールしたり…… すごかったんです、アイドルの子もファンの人たちの熱さも! |
あかり | あとあと、新曲!新曲のことをいま、みんなで考えてて。 コールが楽しいなって思って、そういうの入れたいねーとか、 いろいろ話してるんですけど。 |
あかり | 私、なんかすぐに新しいものに気移りしちゃって…… やりたいこととか、りんご以外のこととか、あまり浮かばないし。 ……だから本当にアイドルが楽しいのか、まだよくわかんなくて。 |
フレデリカ | んんー? 十分楽しそうだけど? |
あかり | えっ? そう……ですか? |
フレデリカ | なんか考えながらだと、 よくわかんなくなるよねー。あるある。 だから一回頭からっぽにして、自由に楽しんじゃえば? |
あかり | 自由……。 ちょっと、難しいかも……です。 |
フレデリカ | 難しいのはキラーイ!縛られるのはつまんなーい! 心のままにアン・ドゥ・トロワ♪ フレちゃんはそーゆー感じでアイドルをしてるんだけど♪ |
フレデリカ | アカリちゃんの心の奥にも、 本当はどうしたいかって気持ち、もうあるんじゃない? アイドルをして、感じたこと。 |
フレデリカ | 見つけたんでしょ? ステージの上の「何か」は。 なら、あとはアカリちゃん次第だよー。 はい、フレちゃんセンセーからは以上でーす!ぽむぽむ♪ |
あかり | ぽむ……。 |
(街頭・着信音が鳴る) | |
あかり | あっ、また父ちゃんからだ。 ……もしもし? |
あかりの父 | あかりか? この間は話途中だったでねが。 で、どうだ? アイドルまだやってぐか? |
あかり | んーと……。 ……ごめん、もうちょっと考えさせて。 |
あかり | (どうなんだろう。楽しいことはわかったけど……。 父ちゃんたちに言われて始めたアイドルだし、 りんごを売り出すため以外に、私のやりたいことって……?) |
あかり | (それに、あきらちゃんが言うように、この時間は限られてて。 私には、いつか実家を継ぐっていう道もあるんだろうし。 ……この気持ちと向き合ってみて、意味はあるのかな。) |
(翌日・廊下) | |
番組AD | あれ、今日のアイドルさんって ユニット名って何ていうんすか? |
番組D | そこに書いてあるだろう、『#ユニット名募集中』だとさ。 仮らしいけど、他に呼び名もないからなー。 |
番組AD | えっ!? これ一応ユニット名なんすか!? ……変なの。了解でーす。 |
りあむ | (う、うわー!またなんか言われてるー……! やっぱユニット名……いい加減ちゃんと考えたほうがよくね? Pサマに言ってみっか〜……) |
(収録スタジオ) | |
司会 | 今日はこの3人とお送りしまーす。 一言お願いしまーす! |
りあむ | どうもー!夢見りあむちゃんでーす! 今日は燃えないように気をつけます!!燃やすなよ!? はいっ。……あかりちゃん、次あかりちゃんだよ! |
あかり | ……あっ、えっと、アイドルの辻野あかりです! よろしくお願いしまーす! あっ、コレ次? あ、あきらちゃん! |
あきら | 砂塚あきらデス。 今日はよろしくお願いします。 |
司会 | それじゃ一緒に、世界の最先端を見ていきましょー! ちなみにみなさんの最先端と言えば? |
りあむ | まっ、アイドル界の最先端と言えばりあむちゃんだし? 地下から地上まで、完全網羅! のつもりだけど、やや影のものだから地下多め。 |
あきら | 確かにりあむサンの知識には勝てないからね。 好きなだけあるって言うか。 純粋に尊敬できるんですよ。 |
司会 | へー。そうなの。 ほめられてるけど? |
りあむ | おっ……? おお、あきらちゃんもそう思う? お墨付きキター!やっぱぼくはすごい!うん! ……ごめんあんま調子乗らないようにします。続けてどうぞー。 |
あきら | ちょっとくらい調子に乗ってもいいんじゃない。 別に誰も咎めたりしないでしょ。 |
りあむ | ウ、ウス……? |
あかり | ……? |
司会 | おっと? なんか今日のあきらちゃんは優しいな! じゃあ次、りんご界の最先端と言えばやっぱりー? |
あかり | もちろん、甘くて瑞々しい山形りんごー! ……って回答でよかった感じですか? |
(収録後・控え室) | |
あかり | あきらちゃん、もしかして……具合とか悪い? |
あきら | え? フツーだけど……なんで? |
あかり | りあむさんのボケに全然ツッコんでなかったなーっていうか…… なんかいつものあきらちゃんっぽくない? ような……。 気のせい? |
あきら | (自分らしく、ない……。 当たり障りのない対応をしたつもりだったんだけど。 そっか……今度はそういう風にみえるんだ。うーん) |
あきら | (でも、自分のために「らしさ」を取ったら…… ふたりに嫌な思いをさせたり、迷惑かけたり……) |
りあむ | あまあまなあきらちゃんも新しい刺激だったよ〜!! でもでも、なんかあったならこのりあむおねいさんに 何でも話してごらん!このでかい胸を貸す!よ!! |
あきら | ……いや、ごめん。 本当に何でもないから、気にしないでください。 |
りあむ | あう……フラれた。 あ、あーーそうだ!!あかりちゃんは!? アイドルの楽しさ見つけられた!? アイドル続けるよね? ね? |
あかり | あ、えっと……楽しい気持ちは、あると思うんですけど……。 なんていうか…… その、まだ親にははっきり言えないなーっていうか……あはは。 |
りあむ | そ、そっかー……やっぱ進路みたいなもんだし? 親との話し合いって難しいもんな、あははは。 あーうん。わかるわかる。あははー。 |
りあむ | (ぼくがなんか言っても、説得力とかないしな……。 そもそも、なんて言って背中を押したらいいんだろ。 親の気持ちも、あかりちゃんの本音も、わかんないし……) |
りあむ | (あきらちゃんの様子も変だし……) あかりちゃんも、このままじゃ、もしかしたら……) |
(内省) | |
りあむ | ぼくはぼくのために生きるって決めた。 でも……ぼくの足掻きは、ふたりにとって、何になるんだろ。 いまさら何かになろうとしても……意味なんて、ないのか? |
りあむ | でも……だったら……。 |
(数日後・棚田) | |
あきら | ……ん、Pサンからメッセ? 今日はレッスンもなかったはず……。 |
(商店街) | |
あかり | ……え? ええ? どういうこと? |
あかり・あきら | りあむさんが……消えた!? りあむサンが……消えた!? |
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